ロンドンのエレクトロポップ・デュオのOh Wonderの4枚目のアルバム。Oh Wonderは2ndから聴いていてずっといいなと思っていましたが、このアルバムで一段と化けた感じですね。
まず、2曲目の"Down"は、いかにもOh Wonderらしいポップソングで、ちょっと往年のMorr Musicのアーティストなんかを思い起こさせる牧歌的なメロディが心地よい1曲です。
前からこういう曲は同じだったので、この"Down"がメインとなる曲で、全体もこんな感じで行くのかと思ったら、次の"22 Break"は一転してヒリヒリするような感じで、今までのOh Wonderのイメージを一気に塗り替えます。この曲はいいですね。
このあとも5曲目の"Don't Let The Neighbourhood Hear"や7曲目の"Rollercoaster Baby"と、今までのOh Wonderに比べるとややダークな感じの曲が並びます。
このダークな感じが抜けるのが8曲目の"Love Me Now"。後半はちょっと祝祭的な感じも出てきて明るさが帰ってきます。
そして10曲目の"Kicking The Doors Down"で優しさを感じさせ、11曲目の"Twenty Fourteen"で力強くフィニッシュ。
とにかく構成が見事なアルバムですね。
このサイトの記事によると
コロナ禍の中で、メンバーの2人、Josephine Vander Gucht と Anthony Westは解散と破局の危機に直面しながらレコーディングを行い、それを乗り越えて結婚したとのことですが、そうしたドラマチックな感じが事情をまったく知らない人間にも伝わってくるようなアルバムです。