『花とアリス』

 ビデオで『花とアリス』見た。岩井俊二の描く、花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)の2人の少女の物語。最初は完全に花のストーカー的でちょっとおかしな恋愛話が中心なんだけど、途中からアリスに焦点が当たり、アリスの離婚によって別々に暮らす父との交流とかが描かれる。そして、アリスのエピソードがうまくまとまったあと、花の恋愛話に決着がついてまとまったと思ったら、もう一回アリスに焦点が当たっての締め。タイトル通り、映画も「花」と「アリス」の間を揺れ動く、そんな映画です。もうちょっとあっさり終わっちゃってもいいとは思うけど、少し長くなったのは鈴木杏蒼井優の2人に花をもたせようとした結果なのかな?
 あと、前から思っていたけど、岩井俊二の映画の作りはちょうどすごく良く撮れているスナップショットをつないでいくような撮り方で、非常にいい画なんだけどどこかしら軽いところがある。他の映画監督が一つのショットに「絵画的な重み」(一つの構図にすべての意味を込めるような感じ)を出そうとしているのに比べると、岩井俊二はあきらかにそういう感じがない。瞬間の感覚の集積でもって映画が構成されている感じ。

晩ご飯は豆乳鍋