TV On The Radio/Return to Cookie Mountain

 現代の音楽のシーンの最先端を走っているプロデューサーのデイヴィッド・シーテックが在籍しているバンドが、このTV On The Radioでその2ndアルバムがこのReturn to Cookie Mountain。
 今回のアルバムにはデビッド・ボウイも参加してるし、雑誌なんかでは1stよりも開かれた感じになった、とか書いてあったけど、これはよりディープに、そしてマニアックな出来じゃないかな?
 1stは異常なまでに抑制された黒人音楽という感じで、ジャズやファンクやソウルといった音楽を完璧なまでに理性的にコントロールした感じだったけど、今作では黒人音楽的な要素はミニマムにまで抑制されていて、もはやジャンル的には分類不能
 キャッチーなメロディーというのもほぼなくなり、1stの"Dreams"あたりがメロディアスに聞こえるほど。物憂げなホーンとノイズが響く1曲目の"I Was a Lover"、ベースラインがうなるけれどもダンサブルとは言いがたい2曲目の"Hours"。ドラムソロのようなドラミングをリズムに使った4曲目の"Playhouses"など、とにかく凝りに凝った曲が多数。
 いずれの曲も、「上半身が動かないけど下半身は動くような曲」で、キャッチーな盛り上がりはまったくないけど、ライブだったら自然と体が動くような曲。
 出る前の「OK Computer以来の音楽シーンを塗り替えるアルバム」って期待とはちょっと違うけど、まったく新しい音であることは確か。
 そのすごさって物を今度の来日公演で確かめてきたいもんです。

とりあえず一番キャッチーとも言える"Wolf Like Me"が下のサイトで聴ける。
http://tvotr.iskillingmusic.com/

Return to Cookie Mountain
TV on the Radio
B000FG82KO


晩ご飯は松屋のハッシュドビーフ