ティム・ハーフォード『まっとうな経済学』読了

 ティム・ハーフォード『まっとうな経済学』を読了。タイトルからすると『ヤバい経済学』の二番煎じみたいだけど、中身を読んでみれば確かにむこうが「ヤバい」でこちらは「まっとう」。
 『ヤバい経済学』はもはや経済学とは言えないような切れ味を見せてくれた本でしたが、こちらの道具立てはきわめて経済学的でオーソドックス。でも、それじゃつまらないかと言うとそうではなくて、オーソッドクスな経済学の説明を、いろんな例を挙げながらかなり上手く行っていると思う。
 実はぼったくりであるコーヒーショップのフェアトレードコーヒーに見る価格差別戦略とか、アカロフの分析した内部情報の問題とか、携帯電話の電波オークションを例にとったゲームの理論の話、カメルーンが絶望的に貧しい理由、それに対し中国が経済発展できた理由などが面白く、しかも”まっとうな”経済学の道具立てで説明されていると思う。
 『ヤバい経済学』のような衝撃はないけど、経済学にちょっと興味がある人、経済学の有用性がいまいちわからない人にはぜひ読んでほしい本です。

まっとうな経済学
ティム・ハーフォード 遠藤 真美
4270001445


晩ご飯は豚汁