洋画の低迷は質ってよりも劇場のブッキングの問題では?

 去年の映画の興行収入において邦画が洋画を21年ぶりに逆転したというだそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070203-00000012-gen-ent

21年ぶり 邦画が洋画を逆転

2月3日10時0分配信 日刊ゲンダイ

 06年の業界全体の興行収入(興収)が前年比2.2%増の2025億5400万円になった。日本映画製作者連盟の調査によれば、特にヒット作が相次いだ邦画の興収は前年比で3割強増加。市場全体に占める邦画の割合は53.2%を占め、21年ぶりに洋画を上回った。
 一方の洋画は、興収10億円以上の作品が22本(前年は39本)にとどまり、全体の興収は2割近く減少した。
 松岡功会長(東宝会長)は「今の邦画界には資金も人材も集まり、企画力が向上している。CG(コンピューターグラフィックス)を多用してヒットを生んできたハリウッド映画には、当初のような衝撃が薄れている」と“洋邦逆転”の背景を指摘した。
 興収ベスト3は次の通り。
【日本映画】(1)ゲド戦記(77億円)(2)LIMIT OF LOVE 海猿(71億円)(3)THE 有頂天ホテル(61億円)
【外国映画】(1)ハリー・ポッターと炎のゴブレット(110億円)(2)パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト(100億円)(3)ダ・ヴィンチ・コード(91億円)

 まあ、要因としては邦画がテレビとのタイアップで動員を伸ばしているのに対して、洋画は巨額の制作費をつぎ込む大作路線が行き詰まり、続編ばかりになって新しい企画が出てこないっていうような感じで分析されていて、それはそうなんでしょうけど、もう一つ配給会社の劇場のブッキングのまずさってのも外せない要因じゃないでしょうか?
 
 例えば、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされていて評判も高い『リトル・ミス・サンシャイン』ですが、都内でちゃんとやってるのはシネ・クイントのみ。これじゃあ、ちょっと気になった程度だとなかなか見に行けないですよね。
 考えてみれば去年のアカデミー作品賞を獲った『クラッシュ』も監督賞の『ブロークバック・マウンテン』も見たのは新宿武蔵野館。『ユナイテッド93』も新宿武蔵野館(いかにもつまらなそうな『ワールド・トレードセンター』は大々的に公開してたけど…)。
 アカデミーの男優賞を獲った『カポーティ』はアカデミー賞の受賞から半年以上経ってから恵比寿ガーデンシネマ
 なんかみすみす観客を逃しているとしか思えないんですよね。
 もちろん、シネコンができたおかげで、こういった作品もヒットすればシネコンでかかるようになりましたが、やっぱりもうちょっと配給会社が映画の出来を見極めて公開体制をつくっていく必要があるんじゃないかと。
 
 もっとも邦画、洋画とも去年のベスト3をまったく見ていないので、説得力ないかもしれませんが…。

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