Muse/The Resistance

 Museの5枚目のアルバムは相変わらずMuseワールド全開な作品。
 中身はたいしてないんだろうけど、とにかく空虚なまでの過剰さに満ちあふれたアルバムです。
 ただ、前作、前々作に比べるとアルバムに統一感がないので、やや散漫な印象がなくもないです。前々作のファシズム的な感じとか、前作のB級スペースオペラな感じとか、そういうアルバムを貫く強烈なイメージがないんですよね。
 それでも、大げさに中近東風の旋律を奏でたりしながら、後半はショパンになだれ込む"United States Of Eurasia / Collateral Damage"なんかはMuseにしか出来ない世界。"Unnatural Selection”でのマットの歌い上げっぷりとやや安っぽいギターリフなんかもいいですし、ちょっとフレンチっぽい感じからクラシックっぽくなり、またフレンチに戻ってくる"I Belong To You / Mon Cœur S'ouvre À Ta Voix"なんかも面白いです。
 そして最後の3曲はMuse流の交響曲。ここがもう少し派手なほうがよかった気もするのですが、こういう耽美的な展開は好きな人は好きでしょう。
 ずいぶんと、とっ散らかった世界という印象を受けるアルバムですけど、ライブだとどうなるんでしょうね?


The Resistance
Muse
B002GZQYMK