ちょっと前、ジブリ美術館に行ったとき、そこの図書コーナーで『だるまちゃんとてんぐちゃん』とか『3びきのヤギのがらがらどん』を読んで、そのその教訓とか考えるもののなさに驚いたんだけど、この『かいじゅうたちのいるところ』もそんな映画。
もともと、すごく短い絵本らしいですが、監督のスパイク・ジョーンズは変に教訓めいたストーリーにつくりあげることなく、絵本的なたんに過剰だったりする世界を見事に描いてみせたと思います。
もちろん、一番印象的なのはかいじゅうたち。
非常にかわいく、さらにCGじゃないぶん存在感がある。
まず、このかいじゅうの造型とか撮り方がいいですね。
それぞれの行動がかなり無茶苦茶なのもかいじゅうっぽくていいです。
スパイク・ジョーンズもかいじゅうと子どもを上手く撮っていて、例えば冒頭のかまくらを破壊されちゃうシーンとかは子どもの気持ちを痛いほど上手く描いているし、キャロルのつくったミニチュアとかもとてもいい。
驚きの映像というものはないかもしれませんけど、子ども的な世界をうまく撮っていると思う。
そして、音楽!
実はこの映画に注目したのは予告でThe Arcade Fireの"Wake Up"が使われていて、Yeah Yeah YeahsのKaren Oが音楽をやっているからだったりするのですが、そのKaren Oの音楽がふんだんに使われていて、想像以上によい!
いつもは過激なKaren Oですが、この映画ではかわいい!
Yeah Yeah Yeahsではたまに見せるKaren Oのロリっぽい声が魅力だったりもするのですが、この映画の音楽ではそれが全開。Yeah Yeah Yeahsのファンには見逃せない映画です。
かいじゅうたちのいるところ-オリジナル・サウンドトラック
カレンO・アンド・ザ・キッズ