一昨日、六本木ヒルズの森アーツ・ギャラリーで見てきました。
作品のボリュームの割には会場はやや手狭。さらにクーラーが効きすぎて最後のほうは寒くてどうしようもない感じで会場的にはよくなかったのですが、作品は素晴らしかった!
今回は、「多彩なる肖像画」、「宗教画の運命」、「オランダの室内」、「描かれた日常生活」、「モネの冒険」、「風景画の系譜」、「印象派の風景画」、「静物と近代絵画」というテーマごとに別れた展示だったのですが、まず最初の「多彩なる肖像画」のレンブラントの「ヨハネス・エリソン師」と「ヨハネス・エリソン師の妻マリア・ボッケノール」が素晴らしい!
今までそれほどピンと来てなかったレンブラントですが、この肖像画の質感、表情のうまさといったものは特筆もの。いきなり、一流画家の一流の作品を見ることができます。
さらに、その前にはベラスケスの「ルイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ」とマネの「ヴィクトリーヌ・ムーラン」。これを見るとベラスケスがマネに与えた影響というのが改めてわかります。
あと、「宗教画の運命」ではフランチェスコ・デル・カイロ「洗礼者聖ヨハネの首を持つヘロデヤ」のヘロデヤのイッちゃった表情がすごいです。
そして、今回のもう一つの目玉はモネ。
特に「積みわら(日没)」、「ルーアン大聖堂の正面とアルバーヌ搭(夜明け)」は前から好きでしたが、実物を見ると改めてその大胆さと緻密さがわかります。
近くで見てもいいですが、そのあとに改めて遠くから見るとちがった形で見えてきます。「ルーアン大聖堂」は遠目で見ると等の形がはっきりと浮かび上がります。
また、「小クルーズ川の峡谷」も近くだとすごさはわかりませんが、遠くから見ると迫力ある岩肌が見えてくる。
最初に書いたように会場はやや狭いので、遠くから見るのは難しいかもしれませんが、ここはじっくり見ておきたいですね。
あと、スルバランの「コンスタンティノーブルの聖キュリロス」、「聖ペトルス・トマス」、レオン・ボナ「メアリー・シアーズ」、カミーユ・ピサロ 「エラニー=シュル=エプト、雪に映える朝日」あたりも印象に残りました。
会場は不満でしたが、展示内容に関しては非常に満足でしたね。