Yuck/Yuck

 上半期、気になっていたけど買ってなかったCDの第2弾。
 全然知らなかったけど、Cajun Dance Partyの二人がやっているバンドなんですね。しかもCajun Dance Partyは知らない間に解散してたという…。
 最初にYouTubeで聴いたときはアメリカのバンドかと思いもしましたが、アルバムを通して聞いてみると、このバンドがイギリスのバンドで元Cajun Dance Partyのメンバーってのも納得。
 音はグランジっぽいですし、基本的にUSインディー的な曲調なんですけど、ここ最近のアメリカのこの手のバンドだともうちょっと泥臭くなるか、あるいはエモに走るかどっちか。そんな中でこのYuckは泥臭いふりをしながら妙にスマートです。
 全体を通して聴くとかなりポップでもあるんですけど、完全にギター・ポップ路線ではなくグラン的な歪みとか粘っこさみたいのは生きている。過去の音楽のいろんな要素をうまく組み合わせているセンスのあるバンドだと思います。1曲目の"Get Away"、そしてラストの"Rubber"とロック色の強い曲でアルバムを挟んでいる構成もうまいですね。 
 ただ、リズムとかは単調ですし、何か新しいものがあるというバンドではない。ボーカルもスローな曲になるとやや弱い気がします。このデビューアルバムではそういった弱さをセンスの良さで押し切っている感がありますが、今後のキャリアを考えるともう一つなにか強みが欲しいところでもある。



 

Yuck
Yuck
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