ふくろうず/テレフォン No.1

 ふくろうず、久々のリリースは7曲入りのミニアルバム。フルアルバムじゃなくてミニアルバムってところに前作が売れていない感じが感じられてしまって悲しいですが、“カシオペア”、”S・O・S・O・S”、”春の惑星”と毛色の違うシングル級の曲が3曲入ったナイスな出来だと思います。
 けど、Youtubeにあがっているリード曲は“テレフォン No.1”なんですよね。
 前回のアルバムのリード曲も”砂漠の流刑地”で、個人的にもったいないなって思ったんですが、今回もそう。”テレフォン No.1”もいい曲ではありますけど、これだけ聴くと相対性理論みたいな路線のバンドだと判断してしまうと思うんですよね。
 もちろん、ふくろうずの魅力はポップでキッチュな所でもあると思いますけど、ふくろうずの他のバンドにはない魅力ってのは、「思春期」とか「高校時代」とかの万人に引っかかるフックや轟音ギターとかを使ってないのにエモい音であったり、それに欠かせないちょっと高音に外れたような内田万里の声であったり、前作の”キャラウェイ”や”優しい人”、そして今作の“春の惑星“に見られる抜群のメロディセンスだと個人的には思ってます。
 とにかく”春の惑星”はどっかで試聴してほしいものですが、試聴機もあんまないかな…?


 他でも、“カシオペア”はダンサブルなサビがいいですし、”S・O・S・O・S”はアイドルのシングルとしても十分に行けそうな感じの曲。いずれもポップセンスが光っていると思います。
 全体的に80年代を思い起こさせる曲が多く、一応世界的な80年代回帰の流れにはあると思うのですが、たんなる焼き直しにとどまらないエネルギーがあるところも、ふくろうずのいいところだと思います。
 今回も売れないようだとまたリリースが遠のいてしまいそうなので、なんとか売れて欲しい1枚。


カシオペア(DEMOバージョン)」


テレフォン No.1
ふくろうず
B00D49VMHO