今年は今まで洋楽のアルバムで「これだ!」ってのがなくて、自分の趣味と時代が完全にずれてしまったのかと思ってたけど、ついに傑作アルバムが来た!
Slow Clubはイギリスのシェフィールド出身の男女二人組のデュオ。
1stアルバムの「Yeah, So」もカントリーっぽさが入ったインディーポップ/フォークで、"It Doesn't Have To Be Beautiful"に見られるような軽快な疾走感や、ちょっと凝ったパーカッションなどの音作りが魅力的だったわけですが、この2ndアルバムではさらに化けていて、単なるカントリーとかフォークには収まらないサウンドをつくりあげている。
もともと、デビューアルバム前のEPではアカペラ合唱から力強いドラムで曲が展開する"Let's Fall Back In Love"なんて曲も見せていたわけですが、この2ndではそういった曲調がさらに進化して展開されている。それでいて、アメリカのインディー勢のように難しいことをやってポップさがなくなってしまうということもなく、楽曲の楽しさは全然失われていない。
例えば冒頭の"Two Cousins"や6曲目の"Beginners"、ポップにしては強すぎるドラムに女性ボーカルRebecca Taylorのよく伸びる声、そしてちょっと外れたようなキーボードがそれに加わって、力強さと浮遊感が同時に感じられるような曲に仕上がっている。
この「ちょっと外れたような感じ」は5曲目の"Hackney Marsh"のサックスもそうで、ちょっとStarsが「Set Yourself On Fire」の"One More Night"で見せた崩し方とかに似ている。
とにかく全体的にメロディもよく変化もあって飽きさせない。とりあえず今の時点では今年No.1ですね。
不満は最後のトラックが"Horses Jumping / Paradise"と2曲が一緒になっている点くらい。別に隠しトラックじゃないんだから2つに分ければいいのに…。
Paradise Slow Club Moshi Moshi 2011-09-13 by G-Tools |