Common/The Dreamer, The Believer

 2005年の「Be」以来、何気に買い続けているCommonのアルバム。HIPHOPにしてはアルバムが短くてダレないのと、どのアルバムには必ず気にいる曲があるので新しいのが出るたびに買っているわけですが、今作もその期待には応えている。
 「Be」と「Finding Forever」はKanye Westのプロデュースで生楽器を活かしたサウンドに軽快なラップが乗る感じ、前作の「Universal Mind Control」はThe Neptunesのプロデュースで、電子音などもおりまぜつつも踊れるHIPHOPに仕上がっていました。
 そして今作のプロデューサーはNo I.D.。音的にはかなりひねった前作や生楽器にこだわった「Be」なんかに比べると王道的ではないでしょうか。 
 NaSをフィーチャーした2曲目の"Ghetto Dreams"は力強いピアノやホーンにインパクトのあるスクラッチ、それに力強いラップが乗っていて単純にかっこいいですね。一方で、つづく"Blue Sky"はElectric Light Orchestraの"Mr Blue Sky"をサンプリングしていて、少しKanye Westの曲を思い起こさせます。
 他にも7曲目の"Raw (How You Like It)"は女性コーラスが印象的な色気を感じさせる曲。変に甘くなりすぎないところもベテランのCommonならではなのかもしれません。8曲目の"Cloth"は非常にしっかりとした良いメロディの曲で、9曲目の"Celebrate"は軽快なピアノが印象的。
 前作のような斬新さとかインパクトはないですが、オーソドックスとも言える内容をしっかりと仕上げてきたアルバム。ベテランならではの安定感と完成度を感じさせるできです。



Dreamer the Believer
Common
B005P78UCI