『イミテーション・ゲーム』

 第2次世界対戦において、不可能と呼ばれたドイツのエニグマ暗号の解読に成功したアラン・チューリングを描いた作品。実話をもとにした脚本で、まあいろいろと脚色は加えているんでしょうが、「秘密」という概念の使い方や、時系列の並べ替えとかも非常に上手くハマっている非常に良い脚本です。
 チューリングを演じたカンバーバッチの演技もうまかったですし、派手さはないもののよくできた映画だと思いました。


 エニグマの解読は最高機密のミッションとして行われ、情報機関なども絡んだ形で極秘に行われました。一方、御存知の通り(?)、チューリングは当時イギリスではわいせつ罪として犯罪者扱いされる同性愛者でした。つまり、チューリングは自ら秘密を抱えたまま、秘密裏に暗号という秘密の解読に取り組むわけです。
 このあたりの入り組んだ関係をこの映画は手際よく見せていきます。また、本人が重大な秘密と思っていたものが他人にとってはそうでなかったり、厳重に守ってきた秘密が、ちょっとしたボロから崩れたり、そういった部分も面白いです。


 そして、最初にも書きましたがカンバーバッチの演技が上手い。カンバーバッチ演じるアラン・チューリングはあまりにもゲイっぽくて、カンバーバッチ自身もゲイっぽく見えてきくらいですが、去年婚約したらしいですし、そういうわけじゃないのか?
 あと、暗号解読に重要な役割を果たすジョーン・クラーク演じるキーラ・ナイトレイも、本当はもっと地味な人だったんでしょうが、魅力的でした。