Syrup16gのアルバムは今までライブなどで演奏されていなかったもののCD化されていなかった楽曲を集めたもの。古い曲では20年近く前の曲もあるようです。
自分はシロップのライブに1回しか行ったことがないので(ベストアルバムの「動脈」、「静脈」が出たころのもの)、未発表曲自体を聴いたことはほとんどなかったのですが、こうして改めてまとまって聴いてみると、いかにもシロップらしいものばかり。
アレンジも全体的にややラフな感じで、前作の「darc」のムードを踏襲している感じです。。
まず、冒頭の"光のような"から、いかにもシロップな歌詞とサビ。
♪中央線が止まっても/最終に乗り遅れても/この人生は終わらない♪とか歌詞だけでシロップだとわかるような感じですよね。
次の"透明な日"の♪停留所に/年老いた老人が 独りで/寝ているように 待っていた/ああ そのバスは今日も来ませんか♪という部分なんかもいかにもな歌詞だと思います。
ただ、一方的に暗いだけではなく不思議な明るさもあるのがシロップの特徴で、ファンの間でも名曲とされていた"赤いカラス"も歌詞は基本的に暗いのですが。メロディや音には不思議に「抜けていく」ような感じがあって、非常にいい曲に仕上がっていると思います。
また、"upside down"のようなダンサブルと言えるようなナンバーがあるのもシロップのアルバムのなんだかんだいって聴きやすいところでしょう。
他にもラストの"光の窓"の♪光の窓♪と歌うボーカルも印象的です。
未発表曲を集めたアルバムというとコアなファン向けのように思えますが、普通のアルバム収録曲と遜色ない出来で(むしろつぶが揃っているといえるかも)、ライトなファンにも楽しめる内容だと思います。