syrup16g / Les Misé blue

 Syrup16g、5年ぶりのニューアルバム。

 かなり音圧のあるギターから始まる1曲目の"I Will Come (before new dawn)”から。相変わらずなSyrup16gワールドが展開されていますね。

 五十嵐隆も50近くになって、変に成熟してしまってもおかしくない年頃ですが、相変わらずです。

 10曲目の”In My Hurts Again”の冒頭の♪大気圏の中で暮らしている/何処へいても宇宙服を着ている♪とかすごくいいと思います。さらにこのあと♪来世には お煎餅屋になりたくて♪という歌詞まで待ってますから。

 

 ただ、多少はパッケージングが上手くなった部分もあって、例えば、3曲目の”Everything With You”のサビの部分、♪後の祭りでヤバって叫ぶ/Everything With You/愛を失くして/行き着いた 首つり台の下♪。歌詞だけ書くと、救いようがないわけですが曲調はすごく明るいんですよね。

 ちょうど、ブランキー・ジェット・シティの”2人の旅”の歌詞がすごくまっすぐなラブソングのようでいて曲調がダークすぎるのと間逆な感じです。

 6曲目の”診断書”の♪診断書 待ってる/死んだっしょ♪もそうで、こんな歌詞なのに明るさがあります。12曲目の"Maybe Understood"の♪鬱になったって 闇堕ちしたって/お腹すくよ 命は自我に興味ない♪って部分もいいですね。

 

 ただ、アルバムとしては、"宇宙遊泳"のようにもう1つ弾けるような曲があるとさらに良かったですね。シングルっぽいのは"うつして"ということになるのでしょうが、この曲を含めてミドルテンポの曲が多いので、アルバム全体としてのアクセントはやや弱い感じです。

 それでも相変わらずのSyrup節が聞けてよかったです。

 

 


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