臓器移植についてのメモ

 今日の朝日新聞の都内版に「伸びぬ募金頼りは地元」って記事が載ってる。
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000130605110001

伸びぬ募金頼りは地元

まだ目標の5分の1

 重い心臓病を患い、海外での心臓移植を希望する三鷹市の渡辺祥司さん(57)への支援活動が苦戦している。8千万円とされる費用を工面するため、2月下旬に仲間らが記者会見して一般市民への協力を呼びかけた。しかし、これまでに集まった募金は目標の5分の1。家族らは来月には海外へ送り出したいと、地元の縁を頼って連日駆け回っている。(西正之)

<中略>

 ●費用8千万

 三鷹市で育った渡辺さんは38歳の時、拡張型心筋症を発病。長年勤めた建設会社を49歳で退社し、治療に専念してきた。昨年4月に病状が急変し、現在は補助人工心臓を取り付け、東京女子医大病院に入院中だ。

 医師からは、早急な心臓移植が必要と言われている。国内移植が難しい中、米国のUCLA大学病院が受け入れを表明した。費用は約8千万円。6千万円は予約金として先払いが必要だという。

 費用を集めるため、1月に知人らが「渡辺祥司さんを救う会」を結成。記者会見を開いたり、週末の街頭で募金を呼びかけたりしてきた。しかし、9日時点で集まったのは1587万円。目標の5分の1にも満たない。

●職場離れ8年

 「募金は患者の年齢が低いほど集まりやすく、同じ額でも大人は子どもの2倍、3倍の日数がかかるのが現実です」。渡辺さんはじめ、移植希望者の支援を続けている「NPO法人日本移植支援協会」の高橋和子事務局長はそう語る。

 最近の例では、腎臓移植を待つ女児に、会見で支援を呼びかけてわずか1週間で、目標の9千万円を上回る額が集まった。渡辺さんの場合、会見からすでに2カ月半がたっている。

<中略>

  輪島さんは8日の試合会場でこんなチラシを配った。「人の命に貧富・年齢の差別はない! 助かる道があれば、救うのが情である」

 (ちなみに輪島さんとはボクサーの輪島功一。地元の縁ということで呼びかけているようです。)

 「人の命に貧富・年齢の差別はない!」という言葉はもちろん正論なんですけど、どっかで「でも…」って感じはある。
 臓器移植のように希望する人に対して受けられる人が圧倒的に少ないような状況では、その配分ということが問題になってくるのは当然で、そこに「年齢」という要素が入ってくるのは仕方がないんじゃないでしょうか?
 実際、僕はドナーカードとか持っていませんが、持たない理由の一つは、自分より年齢が上の人に委嘱される可能性があるというのがなんかいやだから、というのがあります。これはルサンチマンみたいなものじゃなくて、自分より年齢が上ってことは「もう十分生きてるじゃん」って思いがあるから。そんな他人の長生きのために臓器やお金や医療資源を使うなら、どっかの貧しい国の子どもでも救ってあげてくださいよ、ということ。
 だから、個人的には臓器移植そのものにも、「そこまでしなくても…」って感じがある。でも、患者が子どもなら親が「臓器移植してでもなんとか生かしたい」ってのは十分に理解できるし、「あきらめろ」っても言えない。 
 臓器移植に関して、直観的には「年齢による差別」を認める立場を取ってしまいますね。

晩ご飯は豚肉とピーマンともやしの炒め物とゴールデンキュウイ