Fog/Ditherer

 HYMIE’S BASEMENTでWhy?なんかと組んだり、前作でもヒップホップ色の強いひねくれたポップスを聴かせてくれたFogの新作はバンド編成で挑んだアルバム。
 Why?はヒップホップ的リズムを残しながらも大胆にポップスのメロディを取り入れて、傑作Elephant Eyelashをつくりましたが、Fogはこのアルバムでヒップホップ的な要素を残しつつロックをやり、そして新しいロックを見事に生み出しました!

 やはりひねくれていたり、サイケっぽいところはあるんだけど、それ以上にロックバンドとしての音が鳴っている。
 何がロックかと言うと、例えば1曲目の"We Will Have Vanished”はギターの音の鋭さが前作のFogのアルバムとは違うし、"I Have Been Wronged"なんかだと、今までならひねくれた感じに逃げそうな部分を力強く押し切っている感じで、ある種の攻撃性みたいのがある。10分以上の長尺の"On The Gallows"の最後も独特のリズムをバックに歪んだギターが続く展開で非常にカッコイイ。ラストの"What's Up Freaks?"はアメリカの王道ロック的なメロディにノイズを絡めてありがちなメロディを見事にFogの色に染めている。

 今年はThe National/BoxerとかThe White Stripes/Icky Thumpとかロックアルバムにけっこういいのがあって、久々にデヴィッド・シーテックのプロヂュース以外で新しいロックの動き感じさせるものがあるんだけど、このFogのアルバムも間違いなく新しいロックを感じさせる1枚ですね。
 試聴はこちら↓
 http://www.myspace.com/fogtimewaster


Ditherer
Fog
B000R57UA6


晩ご飯はカレーとゴールデンキュウイ