民主党への支持のしにくさ

 まあ、僕も民主党に期待して時期があったわけですが、今は非常に支持しづらい。
 その理由の一端を、上記の蒲島郁夫・竹下俊郎・芹沢洋一『メディアと政治』の183pの各党の政策分布のイメージ図が示してくれている。この図は内政面では日本型システムの維持/革新、安全保障では積極/穏健の2つの対立軸をとり、それぞれの政党がどこに位置するかということを表している。
 それによると、自民党は日本型システムに関しては維持と革新の中間くらい、安全保障ではやや積極的という場所を中心にきれいに位置している(ちなみに連立を組んでいる公明党は日本型システムに関してはやや革新、安全保障では穏健であり、連立が政策面からのものでないことがわかる)。
 一方で、民主党は日本型システムに関しては維持と革新、安全保障ではやや積極と穏健が入り交じっていて、中心点がいくつもある。自民党内のバラバラさは常日ごろいわれますが、これによると意外にまとまっている自民党に対して民主党こそがバラバラであることがわかります。

 
 ただ、それはむかしからわかっていたことで今更という感じもあるのですが、さらに今の民主党がわかりにくいのは小沢一郎が党首だという点。
 基本的に小沢一郎にとっては政策というのは選挙ための手段であり、「政策実現のために選挙に勝つ」というのではなく「選挙に勝つために政策を選ぶ」というように目的と手段が転倒しています(もちろん、自民党にもあるいは現代のどの政党にもこうした面は見られるのですが、小沢一郎ほどあからさまではない)。
 最近のガソリン引き下げにしろ、日銀総裁の問題にしろ、小沢一郎にとっては解散に持ち込むため、あるいは大連立を実現させるための手段であり、民主党が政権を取った時にどんな政策をとるのかということがまったく見えてこないんですよね。
 個人的には特に経済政策を知りたいので、日銀総裁に関しては堂々と政策面から総裁候補の可否について論じて欲しいんですけど。