Syrup16g/Syrup16g

 3月1日で解散を表明しているSyrup16gのラストアルバム。
 一時期はリリースしまくっていた彼らですが、今回のアルバムはなんと3年9ヶ月ぶりのリリース。ただそのぶん、出来は非常にいい!アルバムの出来としてはメジャーデビュー作のcoup d'Etat以来の出来だと思います。


 「破滅の美学なんかを/利用して/いざとなりゃ死ぬつもりだった」というシロップ節が炸裂する”ニセモノ”から始まって、「すべてを失くしてからは/ありがとうと思えた/これはこれで青春映画だったよ/俺たちの」と歌う”さくら”に続く冒頭の2曲は、曲も詞もまさにシロップならではのもので、しかもラストアルバムにはまり過ぎ。
 その後も”途中の行方”とか”バナナの皮”とか、いかにもで、なおかつラストアルバムにふさわしいような歌詞の曲が続きますが、そんな中で7曲目の”ラファータ”が少しだけ前向きでやさしげな良い曲で、アルバム全体のいいアクセントになっています。
 そして後半は疾走感のあるギターがかっこいい"scene through”が最高。
 ”Sonic Disorder”とか”天才”とかこれまでもかっこいいギターロックをつくってきたシロップですが、これもいい曲だと思います。
 で、ラストは「夢の先の事を考えて泣くのはもうやめておこう」と歌う、”夢からさめてしまわぬように”。
 とにかくSyrup16gのラストアルバムにふさわしい素晴らしい出来だとおもいます。


Syrup16g
Syrup 16g 五十嵐隆
B000YY67RC


晩ご飯はほうとう