今日は上野の国立博物館で「皇室の名宝」展を見てきました。
今までちゃんと日本の絵を見る機会ってなかったんですけど、やっぱり狩野永徳とか円山応挙の絵はすごいですね。
狩野永徳の「唐獅子図屏風」の筆の勢いっていったらないですし、応挙の「旭日猛虎図」のモコモコ感もたまらないです。一方で谷文晁の「虎図」には殺気立った迫力があり、といった感じで見所多いです。
けれども、そんな中でもっともインパクトがあったのが伊藤若冲の「動植綵絵」。
鶏などを中心にさまざまな動植物を得がいあた縦約150cm、横約80cmというかなり大きな絵が30幅も一気に展示されているさまは圧巻です。
そして近くで見れば驚くほどの技巧とオリジナリティ。
「南天雄鶏図」の鶏のとさかなどの草間彌生的なブツブツ感とか、隠し絵のような「池辺群虫図」でいろんな生物を見つける楽しさとか、「群鶏図」の一羽一羽の羽毛の質感の違いとか、「雪中鴛鴦図」の雪の描き方とか、近くで見てこそ楽しめるものも多いです。
ちなみに以下のページで全部見ることができます。
http://www.icnet.ne.jp/~take/jyakuvote.html
無背景に2羽の鶏。特に黒いほうの雌鳥が鮮やかなんです。
無背景に黒と言うとベラスケスの「道化パブロ・デ・バリャドリード」を思い出しますが、まさにそんな感じ。
しかも何となく円山応挙あたりから始まった日本画のリアリズムを伊藤若冲がさらにハオパーリアリズム的に発展させたのかと思っていたら、実は伊藤若冲のほうが古いんですね。それにも驚きました。
とにかく、これは見応えのある展示だと思います。