Lupe Fiasco/Lasers

 「Food And Liquor」で彗星のようにデビューしたLupe Fiascoの3rdアルバム。
 「Food And Liquor」は新人とは思えないスキル、Jay-ZKanye Westといった豪華なゲストで圧倒的な完成度を示していたアルバムでした。つづく2ndの「The Cool」もかっこ良かったものの、個人的な印象としてはやや気負いすぎ。そんな中での3rdアルバムでしたが、今回はやや力が抜けた感じで全体的に軽やか。ゲストもビッグネームはJohn Legendくらいですが、それでいてしっかりとかっこ良く仕上がっていると思います。
 1曲目の"Letting Go"は特にかっこいい曲でちょっと民族音楽っぽいシンセを使ったトラックにLupe Fiascoのラップがうまく乗っています。つづく2曲目の"Words I Never Said"ともども、女性ボーカルの入り方も上手いです。
 6曲目の"The Show Goes On"がシングル曲らしく、これまた非常に軽快でポップな出来。人によってはやや商業主義的な音に聞こえてしまうかもしれませんが、心地いいトラックであることは確かです。
 これ以外だと11曲目の"All Black Everything"とかラストのJohn Legendをゲストに迎えた"Never Forget You"あたりがいいですね。最近はR&Bっぽさの強い若手が増えていますが、Lupe FiascoはR&Bの歌手をゲストに迎えてそこにうまくラップをのっけてみせます。
 今回は制作の過程でレーベルとのゴタゴタもあったみたいですが、とりあえず手堅くまもめてきた感じ。次作はもう少しハードな感じになるのかな?



Lasers
Lupe Fiasco
B004IOP3R4