Into It. Over It./Twelve Towns

 久々に買ったインディー・エモバンドのCD。Into It. Over It.はさまざまなバンドで活躍してきたEvanという人のソロプロジェクトで、「Twelve Towns」(12の都市)とあって、"Nashville, TN"、"Orlando, FL"、"Brenham, TX"とアメリカ各州の都市の名前のタイトルを冠した曲が続くので、コンセプト・アルバムかと思ったのですが、オリジナルリリースではなく、これまでにリリースしてきたEveryone Everywhere、Castevet、Pswingset、Empire! Empire!、Bob Nanna (Braid)、Such Goldといった上バンドとのsplit作品を集めた編集盤なのだそうでう。
 音楽的には王道的なエモで、弾き語りのやつはOwenあたりに通じる美しさがありますし、激しい奴は激しいです。
 特筆すべきは1曲1曲の短さで、12曲入りのアルバムながらトータルの時間はほぼ30分。2分台の曲が多く、1分台で終わってしまう曲もあります。ただ、そのぶん短い中に感情が凝縮されている感じで、例えば7曲目の"Augusta, GA"でも普通なら繰り返して盛り上げるサビは1回で終わり、その1回が花火のように開いて終わります。
 もうちょっとしつこく盛り上げて欲しいという人もいるでしょうが、この潔さがあってこそ、アルバム通しての聴きやすさに繋がっているといえるのかもしれません。
 ほんと、久々にエモらしいアルバムを聴いたという感じですね。



Twelve Towns
Into It. Over It.
B0052XXY9Y