轟音にしてポップでかわいさもあるという、なかなかない特徴の組み合わせを持ったバンド。
ウェールズのリッツィ・ブライアン(Ritzy Bryan)、リディアン・ダヴィズ(Rhydian Dafydd)、ジャスティン・ステイリー(Justin Stahley)の3人組で、これがデビューアルバム。
ギターはそれこそMy Bloody Valentineあたりの影響を受けているノイジーなものなのですが、リッツィのボーカルと全体的なメロディはあくまでもポップ。だからといってThe Pains of Being Pure at Heartのような、たんなるキラキラというのでもなく、力強い演奏も見せています。
アルバムはいきなり7分を超える"The Everchanging Spectrum Of A Lie"から始まりますが、新人バンドとは思えないほどのしっかりした演奏を聞かせてくれます。
4曲目の"Austere"が代表曲の一つだと思うのですが、かわいい女性コーラスから始まりながら、終わってみれば音の洪水。6曲目の"Whirring"もいかにも3ピース的なシンプルな曲なのですが、リッツィのボーカルと後半の演奏によって6分以上にまで引き延ばしている。そして怒涛の展開でフィニッシュ。これはバンドに力がないと出来ないことなんじゃないかと思います。
かと思うと、"Cradle"は勢いで押して2分47秒で終わり。身軽さのあるところもいいですね。
ファースト・アルバムということでとにかく勢いを感じさせるアルバムですが、勢いだけではなくしっかりとした個性や演奏力も感じさせるのがこのアルバム。去年発売で聴き逃していましたが、これはいいと思います。
あと、今Amazonだとえらく安いです。
Big Roar
Joy Formidable