Vagabon/Infinite Worlds

 カメルーン生まれでニューヨークを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサーLaetitia Tamkoを中心とするバンドVagabonのデビューアルバム。
 カメルーン生まれというプロフィールを聞くと、アフリカ的なリズムをとり入れたエスニック色の強いバンドを想像してしまいますが、音は手作り感に満ちたローファイのガレージロックという感じで、プロフィールから受ける印象とは全然違います。
 Laetitia Tamkoの歌は伸びやかであるものの、黒人のR&Bシンガーのような重厚さはまったくなく非常に軽やか。その歌声の軽やかさと、シンプルなバンドの演奏がマッチしています。2曲目の"Fear & Force"の疾走感とかはいいですね。
 一方、ドラムを中心に荒削りなロックサウンドを聴かせる5曲目の"100 Years"なんて曲もありますし、8曲目の"Cold Apartment"も比較的ハードな曲で、全体のバランスも悪くないです。
 30分にも満たないアルバムですし、大きくブレイクするにはまだパンチが足りない印象ですが、なかなか面白いバンドだと思います。



Infinite Worlds
Vagabon
B01N21CVIB