Sufjan Stevens、5年ぶりのオリジナルフルアルバム。フルもフルで収録時間は1時間21分もあります。
前作の「Carrie & Lowell」は私的で静謐な感じのするアルバムでしたが、今回は「The Age of Adz」の路線ですね。過剰なまでにさまざまな要素を盛り込んでいます。
音としても「The Age of Adz」に近くて、エレクトロニカ的な要素を取り入れつつ、全体の色調はダークです。「Illinois」の頃にあった有機的な賑やかさは冷たい無機質さに変わっています。
ただし、メロディはやはりきれいで、そのあたりは1曲目の"Make Me an Offer I Cannot Refuse"、2曲目の"Run Away With Me"あたりからもうかがえます。
そうした中で最初の盛り上がりが5曲目の"Tell Me You Love Me"。比較的おとなしいメロディが終盤にかけて一気に盛り上がります。
10曲目の"Gilgamesh"もノイジーな感じで盛り上がりますが、その中でもSufjanの声のきれいさが冴えてますね。12曲目の"Goodbye To All That"は本アルバムの中では珍しく明るさを垣間見せてくれる曲。
そして、このアルバムは13曲目の"Sugar"から14曲目の"The Ascension"、そしてラストの"America"の流れが良い。静かさと緊迫感を保ちながら続いていく感じはさすがです。長いですが、最後まで聴きましょう。
ただ、それでもやはり長いですね。通勤の行き帰りの電車の中で聴き終わらない…。
Sufjan Stevens - Sugar [Official Audio]