崎山蒼志のメジャーでの3rdアルバム。
前作の「Face To Time Case」は"嘘じゃない"をはじめとしてメロディは良かったのですが、ストリングスなどを用いたせいで持ち前のグルーヴ感が隠れてしまったように感じていて、さあ今回は?という思いで聴きました。
前作に比べるとアレンジは変に厚みを持たせないようになされていて、そこはいいと思います。
楽曲は比較的地味です。本作の看板となる曲は『呪術廻戦』のアニメのEDテーマにもなった"燈"でしょうが、「いわゆるアニソン」のような派手な展開はなく、いい曲ですが、静かな曲でもあります。
6曲目の"いかれた夜を"なども前作ならもっと派手なアレンジをしたのかもしれませんが、今回はあまり装飾を付けずに軽い感じです。
セールス的にどうなのかはわかりませんが、崎山蒼志の良さは出ていると思いますし、いまだにアルバムを通して聴くというスタイルをとっているものからすると、今作のほうが聴きやすいですね。
また、全体的に歌メロばかりではなく、ギターをはじめとしたそれ以外の部分の仕上がりがいいと思います。
個人的に好きなのは10曲目の"Swim"で、崎山蒼志の高音のボーカルとギターが良い浮遊感をだしています。
ただ、"Samidare"のようなグルーヴィーな曲が聴きたいというものもちろんあり、そういう曲があるとより良かったですね。方向性としてはいいと思います。