映画

 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

原題は「The Post」。スティーブン・スピルバーグの監督作品でベトナム戦争に関する最高機密文書を当時のニクソン政権の圧力に逆らって報道したワシントン・ポストの話になります。 最初のスクープはニューヨーク・タイムズのもので、ワシントン・ポストは後…

 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

原題は「Darkest Hour」、日本でのタイトルだとチャーチルの評伝のようですが、チャーチルの首相就任からダンケルクの撤退戦を成功に導くまでのきわめて短い期間を描いた映画になります(ドキュメンタリータッチで描いているけど、時系列などはややいじって…

 『シェイプ・オブ・ウォーター』

今年のアカデミー賞受賞作ですが、立川では早くも夜のみの上映となってます。今日は「西郷どん」のレギュラー放送がないということで見に行ってきました。 『シェイプ・オブ・ウォーター』の最初の感想は「これがアカデミー賞なのか」。これは別につまらない…

 『15時17分、パリ行き』

2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車タリスの中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカ…

 『デトロイト』

『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグローの新作は、1967年に起きたデトロイト暴動におけるアルジェ・モーテルでの事件を描いた実話を元にした作品。 Yahoo!のページに載っているあらすじは以下の通り。 1967年の夏、アメリ…

 2017年の映画

今年も映画を見たのはほぼ立川のシネマシティ。というわけで「2017年の映画」というよりも、「2017年に立川のシネマシティでやっていた映画」というタイトルのほうがふさわしいかもしれませんが、とりあえず今年の5本を。1位 『ダンケルク』ダンケルク ブル…

 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

はじめに断っておくと、スター・ウォーズ・シリーズについては旧三部作(エピソード4・5・6)は面白く見ましたけど(4・5はテレビ、6は劇場)、そんなにシリーズに強い思い入れはないです。 そのせいもあるのかもしれませんが、「今までのスター・ウォーズ・…

 『ブレードランナー2049』

今なお、SF映画に大きな影響を与え続けている『ブレードランナー』。特にテクノロジーと東アジア的な猥雑さをミックスした近未来描写は、例えば最近の『ゴースト・イン・ザシェル』なんかも基本的には『ブレードランナー』の世界を継承していました。 そんな…

 『三度目の殺人』

是枝裕和監督の法廷サスペンス。 福山雅治演じる弁護士の重盛は、友人の弁護士から強盗殺人犯・三隅(役所広司)の弁護を頼まれる。三隅には過去に強盗殺人で2人殺した前科があり、自白もしているのでこのままだと死刑は濃厚。そこで法廷戦術に優れる重盛に…

 『ダンケルク』

映画の冒頭、主人公はダンケルクの町で敵の襲撃を受け、なんとか味方の陣地まで辿りついて撤退が行われる砂浜へと向かう。 するとそこには一面の白い砂と撤退の船に乗るために列をなす兵士たちの黒い線が並んでいる。 自分たちを乗せてくれる船をひたすら待…

 『ベイビー・ドライバー』

サングラスを掛けた4人組が銀行の近くに車を乗り付け、一番若い男を残して3人は銀行へ。音楽を聴きながら落ち着きなく車を動かしている若い男(ベイビー)は、3人が強盗から戻ってくるとものすごい勢いで車を発進させ、音楽に乗りながら超絶テクでパトカーを…

 『メアリと魔女の花』

あまり良い評判を聞いていないので期待しないで見に行きましたが、そんなに悪くないじゃないですか。少なくとも『ゲド戦記』とか『猫の恩返し』よりも全然いいですし、後述するように「ある点」を除けば、『魔女の宅急便』や『ハウルの動く城』と同じくらい…

 『ハクソー・リッジ』

沖縄戦の前田高地(ハクソー・リッジ)の戦いに参加した良心的兵役拒否者で銃を持たない衛生兵デズモンド・ドスの活躍をメル・ギブソン監督が描いた映画。 メル・ギブソンといえば、監督としては『パッション』や『ブレイブ・ハート』を撮っており、残酷さの…

 『美しい星』

1962年に発表された三島由紀夫のSF的小説を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が映画化。 原作は未読なのですが、「今なぜこの作品を映画化?」という思いを抱きつつも、吉田大八ならば、現代的な意味付けもしているのであろうと思い見に行きました。…

 『メッセージ』

テッド・チャン「あなたの人生の物語」の映画化作品。「あなたの人生の物語」は近年屈指のSF中編、というかSFに限らずとも中短編でこれだけの作品はめったにないというそういうクラスの作品だと思うのですが、それだけに映画を見る前には不安もありました。 …

 『ゴースト・イン・ザ・シェル』

見るかどうかずっと迷っていましたが、機能見てきました。とりあえずは、「なるほど、アメリカで実写化するとこういう方向に引っ張られるのね」というのが一番の感想です。 100点満点で60点くらいの映画だと思ったので特にお薦めはしませんが、日本とアメリ…

 『ムーンライト』

今年のアカデミー賞作品賞受賞作。 去年の『スポットライト』も比較的地味な作品でしたけど、あちらはエンターテイメントとして堅実につくってあったのに対して、こちらはアート寄り。一時期のミニシアター系の映画を思い出しますし、アカデミー賞を受賞しな…

 『ラ・ラ・ランド』

遅ればせながら見てきました。 アルバムにおいて冒頭とラストの曲が良いと、それだけで繰り返し聴く気になるということがありますが、この『ラ・ラ・ランド』もそんな印象。 中盤のストーリーはありきたりですし、予告で良さそうだったプラネタリウムのシー…

 『お嬢さん』

『オールド・ボーイ』や『親切なクムジャさん』のパク・チャヌク監督の作品。サラ・ウォーターズの小説『荊の城』を原案にし、舞台をヴィクトリア朝のイギリスから日本統治下の朝鮮に移したサスペンスになります。 まずはYahoo!映画に載っているあらすじは以…

 『未来を花束にして』

昨日見てきました。 原題は「Suffragette」、20世紀初頭の婦人参政権論者を指す言葉です。 Yahoo!映画で紹介されているあらすじは以下の通りです。 1912年、ロンドン。夫と幼子との3人で生活しているモード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、サフラジェット…

 『沈黙 −サイレンス−』

ご存知遠藤周作の小説をマーティン・スコセッシが映画化。ここ最近のスコセッシはそんなに好きではないので、上映時間約2時間40分というのを聞いてややためらう部分もあったのですが、さすが重厚かつ緊迫感のある作りで画面に集中させられました。 撮影もよ…

 2016年の映画

今年は休みが土日から日月になったこともあって、会員なら平日1000円で見れる立川のシネマシティでけっこう映画を見ました。 しかし、実を言うと夏休みに奥さんの実家近くのシネコンで見た「アイカツ」の映画を除けば、すべてシネマシティで見てるという手抜…

 『この世界の片隅に』〜高畑勲の後継的作品として〜

月曜に見た『この世界の片隅に』、感想を書かないままにずるずると来てしまった。 一番の理由は体調不良なんだけど、もう一つはあまりにも絶賛されていて、「アニメ史上、映画史上に残る傑作!」とか言われると、それも違うんじゃないかという気持ちが残った…

 『永い言い訳』

『ゆれる』、『夢売るふたり』などの西川美和の監督作品。 突然のバス事故で美容師の妻(深津絵里)を失った、本木雅弘演じる作家の衣笠幸夫(ペンネームは津村啓)。突然の悲劇に襲われた彼であったが、実は夫婦の仲は冷えていて事故の当日も実は幸夫は不倫…

 『ジェイソン・ボーン』

『ボーン・スプレマシー』と『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラス監督とマッド・デイモンが復帰してのボーン・シリーズのリブート作。 アクションは水準以上で面白いですが、記憶喪失という設定が解消されてしまったので、サスペンス的な部…

 『ハドソン川の奇跡』

クリント・イーストウッドが、2009年1月15日、突然の全エンジン停止という危機に見舞われながらも、ハドソン川に不時着に成功し乗客を救った機長サレンバーガー(サリー)を描いた作品。原題は「サリー」となっています。 96分という、この手のドラマにして…

 『怒り』

『悪人』と同じ吉田修一原作、李相日監督のコンビが送る作品ですが、何よりもまず目を奪われるのはその豪華キャスト。 渡辺謙に宮崎あおいに妻夫木聡に綾野剛に松山ケンイチに森山未來に広瀬すずと、ほぼ現在の日本映画のオールスターキャストと言ってもいい…

 『君の名は。』

新海誠のファンというわけではないけど、今日を逃すとしばらく見れないかもしれないので、初日の今日、見てきました。 新海誠にとっては、実質的な「メジャーデビュー作」とも言える位置づけの作品で、お得意のセカイ系的な味付けを薄めてくるのかとも思った…

 『シン・ゴジラ』

映画の印象は、「岡本喜八『日本のいちばん長い日』+東日本大震災+『巨神兵東京に現わる』+ヤシマ作戦」。 今まで見たことのないすごいものを見たという感じではないですけど、庵野秀明の今までの作品や、庵野秀明の好きなもの、そして何よりも日本人が東…

 『クリーピー 偽りの隣人』

黒沢清監督のサイコホラー。 黒沢清の作品は、『岸辺の旅』を見逃したので『トウキョウソナタ』以来。リアリティという部分では適当な所も多い(意図的なんでしょうけど)、黒沢清作品ですが、今回もリアリティとか謎解きを期待してみると不満が残るでしょう…